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​レスリングとは

 レスリングは、古くはソクラテスをはじめとする古代ギリシャ哲学者も興じていたという世界最古の格闘技です。相手を痛めつけるのではなく、”相手を抑え込んで制する”技術を競います。

試合会場での練習風景

試合の様子

 

 レスリングで用いられる用具について

レスリングの試合で身につけるユニフォームは「シングレット」と呼ばれるものです。伸縮性があり体に密着するので、掴むことはできません。レスリングの柔道や合気道と大きく異なる点です。

レスリングマットは柔道場の畳よりは柔らかく、体操用のマットよりは弾力のある質感です。相撲における土俵のように、赤と黄色のサークルが描かれています。

 レスリングの試合の流れやルールについて説明します。

レスリングは紳士のスポーツです。対戦相手とレフェリーに敬意を表し、必ず試合前に握手をしてから試合が始まります。

 試合のフェーズは大きく分けて、スタンド(立ち技)とグラウンド(寝技)の2つに分けられます。選手がサークル外に出てしまったり、戦況が膠着状態に陥ったりしてしまった場合のみ、レフェリーの判断でブレイク(中断)がかかり、サークルの中心から試合が再開されます。試合は1ピリオド3分間で、30秒のインターバルを挟んで2ピリオド行われます。

スタンド時の組みあい 

グラウンドの様子

 勝利条件について

相手を仰向けにして両肩をマットに1秒以上つけると、その場で勝敗が決します。これを”フォール勝ち”といいます。相手に10点差(グレコローマンスタイル(後述)では8点差)をつければその時点で勝利となり、これを”テクニカルフォール勝ち”といいます。試合時間内に上記の方法で勝敗が決しなかった場合にポイントの大小で勝敗が決まります。同点の場合は、警告の有無・ビッグポイントの有無・ラストポイントの有無をこの順番で試合内容を評価し、すぐれてた内容を残した選手が勝利します。

両足タックル

海老固めによるフォール勝ち

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スタンドのフェーズで特徴づけられる攻撃手段として、吉田沙保里選手の得意なタックルが挙げられます。相手の隙をついて懐に突進し、足を刈り取って倒す技です。両足を取る場合や片足を取る場合など様々なバリエーションのタックルがありますが、いずれも相手を仰向けに倒した場合は4点、俯せに倒した場合は2点が倒した方に入ります。

 時折柔道のような華麗な投げ技を魅せる選手もいて、同様の基準で点が入ります。ただし相手を自分の頭上を越えて投げるような大技は5点です。

 相手を倒すことができなくても、組み合う過程で相手をサークル外に押し出すことができれば1点が入ります。

一本背負い

アンクルホールド

 グラウンドのフェーズではまず、相手の後ろにつき、頭部両手両脚のうち、3つを地面に付けさせると2点が入ります。このとき後ろにつかれた選手は仰向けだとフォールの危険があるため俯せであることが多いですが、後ろについた選手はその相手を1度でも上向きにひっくり返せば2点が入ります。よく試合中に見られるのは、相手を抱きかかえ、そのまま相手ごと前転をするようなローリングという技や、相手の足を自分の腕に絡ませて一方向に相手を回していくアンクルホールドという技です。もちろん、相手を仰向けにひっくり返して、そのままフォールを取りに行く場合もあります。 

試合が決した後は、勝者敗者に関わらず再び対戦相手と審判、さらには相手チームのセコンドと握手を交わして終了です。以上が試合の大まかな流れです。

 レスリングは体格差を考慮して階級制を採用しており、選手は自身の体格や戦略にあった階級で大会に出場します。また、ルールの異なる2つのスタイルがあり、選手は出場したスタイルでのルールに基づいて競い合います。具体的には、全身への攻防が認められるフリースタイルと、上半身での攻防のみに制限されているグレコローマンスタイルの2種類があります。どちらのスタイルにせよ、打撃や関節技、相手に危害を加える可能性のある行為は全面的に禁止であるため、レスリングは安全な格闘技であると有名です。

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